2016年6月28日火曜日

FUJIFILM X-T10を1年間使って思ったこと

X-T10が発売になって、1年が過ぎました。
いろいろ迷った挙句、昨年の発売日に購入して1年。
とりあえず1年使った感想を残しておきます。



もともとX-M1を半年使用していて、最低限のレンズ(XF27、XF35/1.4、XF55-200)は既にあった状態。
ボディのみのアップグレード。

メインの被写体は植物、動体(飛行機、モータースポーツ)の流し撮り。あと、今年に入ってからコスプレやポートレートの撮影。


【X-T10にして良かったこと】
・色がキレイ
T10に限らず、フジ機ユーザーのほぼ全員が選んだ理由に挙げるんじゃないかと思うところ。フィルムメーカーの面目躍如というべき発色のよさ。

植物の葉の緑色、人の肌色、紅葉や花の赤さ。


コスプレの撮影なんかでは衣装やウィッグの色味も綺麗に出るので、
撮影画像の確認をしてもらう際に「なにこれキレイ!」と言っていただけると思わず「でしょ!」って言いたくなります。
色については、AWBもかなり優秀。
よほどのことが無い限り、WBはオートのまま撮影を行います。
色温度の大きく違う光源で色被りしてしまった時などは流石に無理がありますが、大抵の場合は色味が破綻せずに撮影できます。

発色の性能が優秀なのはもう一つメリットがあって、色の補正で大きく悩む必要が無いので、撮影後の現像作業がすごく楽になります。

・小さい、軽い
これはミラーレス一眼全体に言えるメリットなので、T10が飛びぬけて素晴らしいとかではないです。
同一センサーサイズでの最小・最軽量はSONYのαやCANONのEOS-Mの筈ですし。
でも、一眼レフを運用することを考えると、レンズもボディも小さく軽く済みます。

・Fnボタンやダイヤルでの操作感
ここは好みの部分も多いので万人に勧められるというものではないのですが、
撮影しながら設定を変えたいときに、必要な機能を1アクションでサクサク変えられるので便利。
いちいちメニュー画面開くのも億劫ですからね。

特に、自分の撮影スタイルの癖でISOを200~800の間で変更することがあるのですが、
T1だと左肩ダイヤル、Pro2だとSSダイヤルを上げて回転となり、一度ファインダーから目を離して設定する必要があるのです。
特に人物撮影の時、一度カメラを離すと相手も撮影が終わったと思ってしまい、そのまま撮影を続けたいときに設定を変更しづらいということがあります。

T10だと前面ダイヤルにISOを設定しておけばファインダーを覗いたまま設定変更が可能で、このリズムを崩さずに撮影を進めやすいのです。

あと、XFマウントのレンズは絞り環がレンズ側についていますが、
昔ながらのこの操作体系はマウントアダプタを使用してのオールドレンズ利用時に違和感無く利用できるので、オールドレンズの利用を考えている方にはお勧めしやすいボディです

・程々の画素数と、余裕のあるダイナミックレンジ
16MPと、APS-Cはおろか今ではM4/3機と比較しても低い画素数ですが、特に不満はないかな。撮影後のクロップを多用するなら足りないのかも?
ダイナミックレンジはすごく広い。よほど設定をミスしない限り完全なる白とび黒潰れが発生しないので、RAW現像で露出補正かけると大抵救えてしまいます。

・動体を追尾してくれる
ナニを言っているんだお前は?といわれそうですが、M1って動体追尾がホントにダメだったのですよ。
T1ですら昨年のファームアップまで連写時のフォーカス追尾できませんでしたし、
追尾精度も決して好いと言えるものではありませんでした。それがまあとりあえず実用レベルになったのは大きいのです。


【X-T10だと辛いところ】
・連写性能
動体追尾が問題なくできるようになったものの、バッファ容量の関係で連射能力は高くありません。
T10の高速連写は8枚/秒ですが、カタログスペックの最大連写枚数は8枚。
実際には5枚程度で速度が怪しくなってきます。。
このあたりは使用しているカード(UHSでないclass10、転送速度40MB/sくらい)の影響もあるのですが、いずれにせよ1秒持ちません。
さらにはその後の書き込み時間もあって10秒程度書き込み待ちをする必要があるので、
連写を多用する必要がある用途では使いづらいかなと思います。

・動体追尾連写時の暗転
これはT10に限らずミラーレス機の宿命なのですが、撮影を行うと一旦EVF、背面液晶が暗転します。
動体追尾性能があったとしても、暗転して見えないのでは追いかけようが無いというのは事実ですので、やはり動体追尾連写はまだ一眼レフ機に分があるかなと言ったところ。

・ストロボ関連の性能が貧弱
正直なところ、ストロボを使用した撮影をすること自体がかなり特殊な用途と考えられている部分はありますが、(私自身、コスプレの撮影を始めるまでストロボなんて使わないと思っていた)使い始めてみると他メーカーのストロボ環境と比べて貧弱という印象はぬぐえません。

TTLオート対応のストロボが少ないですし、ハイスピードシンクロは現状で未対応(もうすぐ対応機種発売とのアナウンスはありますが)、無線スレーブもまだ正式対応機種はありません(こちらも秋ごろ発売予定)。

・メガネをしているとファインダーがケラレる
メガネ使用者の辛いところですが、やはり撮影領域の隅がきちんと見えない時があるんですよね。
そういうときに限って余計なもの写りりこんでしまったりorz
大きさとの兼ね合いを考えると非常にいいファインダーなのですが、T1のファインダーが非常に見やすいのでアレと比べるとやはりT1いいなって思うことはありますね。

・総シャッター数がわからない
まあ、わかったところでどうだって話でもあるのですが。
フジの最近のレンズ交換式カメラは総シャッター回数を保持していないみたいですね。
なんとなく、どれくらい使ったのかなというネタとしてわかれば面白かったのに。


こうやってメリット・デメリットを上げてみると、「X-T10だから」という部分と、「フジ機だから」という部分が半々くらいな感じになりますね。
総じて私はT10に満足しています。

完全に動き物メインで撮影をされる方、デメリットには挙げていないですが防塵防滴が必須な方はT1かPro2を検討いただくしかないですが、T10いいですよ。



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