2015年2月20日金曜日

クリーンディーゼルエンジンってそんなにすごいのか


【結論】
ガソリンNAと比較すると圧倒的に強力。
ガソリンのターボと比較すると同等。ただし、フィーリングと吹け上がりはガソリンが有利。燃料消費を考えるとディーゼルの方が有利。


「ディーゼルエンジンは低速域のトルクがあって加速が力強い」というのが定説ですが、本当にそうなのか?というお話。

下のグラフは、デミオXD系に積まれているSKYACTIV-D 1.5の性能曲線。
ATのものですが、MTも220Nmで制御が入るだけで基本的には同じ推移となります。
MTのトルクバンド(赤い線が最高値になる範囲)が1300-3300rpm、アイドリング状態の900rpm付近でも140Nmものトルクを発揮しています。

じゃあ140Nmというトルクがどの程度のモノかと比較するため、
下の表に国内外のBセグメント車(デミオと同じくらいのサイズ)のエンジンをまとめてみました。

左側が国産車、右側が外国車です。
この内、ディーゼルには排気量に「D」、スーパーチャージャーには「SC」、ターボチャージャーには「ターボ」、ハイブリッドには「HV」を記載しています。それ以外はNA(自然吸気)。
各メーカーの公開している諸元表に記載された最高出力と最大トルクです。
HVのものはモーターの出力も記載していますが、トヨタさんもうちょっとわかりやすい表示にしてください。。(ぱっとみて不明だったので記載なし)


とりあえず見た印象を列挙すると、
・国産車はほとんどNA
・外国車のほとんどターボ
・A45AMGのスペックがおかしい
・ていうかA45の出力がキモい WRX STiとかランエボXより出力もトルクもあるじゃねーか

というわけで、ダウンサイジングターボの花盛りな外国車勢のほうが、総じて出力が高い傾向にあります。
また、デミオXDのアイドリング領域のトルクである140Nmというのが、NA 1.5Lエンジンの最大トルクと同程度です。なにそれこわい。

ただ、ガソリンでもテンロクターボと比較すると、デミオのディーゼルターボもほぼ同程度の最大トルクとなります。最大出力は(回転数×発生トルク)となるので、高回転域まで回るガソリンエンジンのほうが高くなりやすい傾向になります。

では、ガソリンターボのエンジン特性はどうか、ということで下のグラフ。

これはVWポロ 1.4ターボエンジンの性能曲線です。
先に上げたSKYACTIV-D 1.5と同じような特性といえるでしょう。
最大トルクの発生も、デミオMTが1400-3200で、ポロが1500-3500。
しかし、デミオが5000rpmでレッドゾーンに突入するのに対し、ポロは6500rpmまで回るみたい。

じゃあNAの性能曲線は?ということで、ホンダ フィット1.5の性能曲線

HV仕様の方はシステム全体の出力が云々とややこしくなるので割愛。
左下からキレイに駆け上がっていっているのが出力の曲線。
真ん中辺りでゆるやかに動いているのがトルクです。
最大トルク発生が高めで、馬力も回転数につれて駆け上がっていきます。
踏んで回転数が上るにつれて速く感じるタイプのエンジンですね。
ただし、トルクの絶対値は同排気量帯のターボにはかなわない。

今回サンプリングしたエンジンは全て1.5L前後のものになり、もうひと回り大きな2L以上のエンジンになるとまた性能曲線も変わってくるのですが、いわゆるダウンサイジングターボ帯では、ガソリンもディーゼルも大体似たような特性であると言っていいと思います。

じゃあ後は何が違うのかというと、単純に車両価格。外国車のほうが総じて高いです。
また、外国車は使用燃料がハイオクになります。
さらに、カタログ燃費も実燃費も総じてディーゼルのほうが良好になると思われます。
重量はガソリン車のほうが軽量になるはず。

と、まあこんな感じ。
国産でレギュラー対応のダウンサイジングターボが出てくると、ガソリンターボの方がいいという結論になる可能性もありますし、国産メーカーでどこが手を挙げるかなー。
あ、日産ジュークのターボモデルはかなり走りに振っているので、実用モデルかというと少し…という感じ。

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