2016年8月22日月曜日

ラジオスレーブストロボの検討

少し前の記事でオフカメラストロボをやるのにPCケーブルを使用しているという話をしていたのですが、思い立ってラジオスレーブを購入しました。
ストロボで2灯ライティングをやることがあるのですが、この際に1台目(メイン)はPCケーブル接続、2台目は光学スレーブ(メイン側の発光に反応して発光)で使用していました。
白ホリや光を回す環境でのバック飛ばしやバウンスでのフィルインライトとして使う分には光学スレーブで特に問題はないのですが、黒ホリや暗めのセット(ゴシック系の部屋みたいなやつ)ではストロボの設置角度、光量を抑えてアンダー目に撮ろうとしたときにメインの発光検知ができずスレーブ側が発光せず、やりたいライティングの配置ができないということがしばしば。
また、シェア型のスタジオで光学スレーブを使用すると、近くで撮影をしている方のストロボ光に反応してしまい、かなり無駄に発光させることに。設置状態によっては隣の撮影のライティングに影響を与えて邪魔してしまうことにもなりかねません。

で、ラジオスレーブの導入を検討というわけです。



  • 検討対象の機種
スタジオによっては使用不可となってしまうので、電波法に触れない技適取得済みのもので候補に挙がったのは以下の3機種
・Nissin Air1+Di700A
・Cactus V6+RF60
・Cactus V6ii+RF60
CanonやNikonであれば純正のラジオスレーブもありますが、私の使用している富士フイルムの機種では無用の長物と化してしまうので選外。
Nissinは富士フイルム対応版はまだリリースされておらず、秋頃にリリース予定となっています。
  • 各ストロボ+コマンダーの機能比較
で、各機種の機能比較。


機種 Nissin Air1
+Di700A
Cactus V6
+RF60
Cactus V6ii
+RF60
価格 29,700
(予想)
33,500
(8,800+24,700)
38,200
(13,500+24,700)
GN(ISO100,105mm,1m) 48 56 56
遠隔光量制御
光量補正域 1/128~1 1/128~1 1/128~1
光量補正step 1EV 1/3EV 1/3EV
バッテリー 単3*4
&単4*2
単3*4
&単3*2
単3*4
&単3*2
TTL対応 × ×
HSS対応 ×
後幕シンクロ
ホットシュー ×

価格はおそらくNissinが最安。発売前ですが、他メーカー向けと同一価格となると考えています。単価はCactus V6+RF60と同じくらいなのですが、送信機+ストロボのセット価格がかなりお得ですね。
最も高いCactus V6ii+RF60とは約1万円の差。悩ましいところ。

  • 光量と調整レベル
ガイドナンバーについてはDi700AもRF60も56なのですが、Di700Aはズーム200mm時での値となるので同一条件(105mm)で揃えると少しRF60の方が光量が大きいことになります。ただしそこまで極端な差はない感じ。

離れた場所からストロボ連動してくれるだけでなく、光量を手元の発信機で調整できる機能はNissinもCactusも装備。
光量補正の幅も最小が1/128までと一般的。どちらのメーカーも特に問題なし。

調整StepがNissinは1EV毎なのに対し、Cactusは1/3EVStep。
ここは撮影スタイルにもよるのでどちらがいいかといわれると微妙なところ。
現在使っているNeewer TT560は1EVStepでの調整ですが、さほど不満がありません。
むしろ調整Stepが細かくなればそれだけ変更時の手数が増えるので煩わしい、という考え方もあったりします。
ただ、操作方法と表示方法は結構大きな差があります。
NissinはLEDのバー表示(TT560と同一)で、一番右のLEDが点灯しているとフル発光、そこから1つ左に移る毎に1/2、1/4となります。TT560も同じ仕様なのですが、コレ頭の中で計算するときに右から順に数えることになって、2台以上で使用するときにぱっと今の設定が判別できないのです。
その点、Cactusは液晶への数字表記。今の設定値がぱっと見てすぐにわかる。
これは結構大きなポイントになるかなーというところ。

  • バッテリーの取り回し
バッテリーは、ストロボはどれも単3電池4本。ストロボとしては一般的ですね。
コマンダー側はNissinが単4*2、Cactusは単3*2と違いはあるものの、いずれも一般的に準備可能なバッテリーですし、それが購入の決め手になるほどの差は無い点かと。

  • 発光モードについて
NissinはTTLを使用した光量自動制御に対応。
コレについては、実質マニュアルでしか使用しないと思われるいので、対応していないCactusでも痛痒は感じない気がします。

ハイスピードシンクロ(FP発、HSS)については、富士フイルム機ユーザーが待ちに待っていた(?)機能。
9月に発売予定の純正フラッグシップストロボEF-X500で遂にFP発光に対応するのですが、対象機種に私の使用しているX-T10の記載がありません。仕様表でも「X-T10は一部の発光モードで使用可能」と記載されている為、これは多分使えないやつですね。。
その点、Cactusは独自の方式で強制発光させ、X-T10でもFP発光が使用可能になります!なにこれすごい!

後幕シンクロは恐らくNissinは対応するはず。Cactusもディレイタイマーを設定することで擬似的に後幕シンクロを実現可能ですが、タイマー設定が必要になる点を考えると、カメラ本体のSS設定だけで事足りるNissinの方が便利。

  • その他の便利機能
Cactusはコマンダー本体にホットシューが設置されています。
2灯制御を行う際にRF60を無線で使用するとして、もう一台に手持ちのTT560を流用する場合にどのように制御するかというところで、光学スレーブを使ってはあまり意味が無いわけです。
NissinであればAirR、CactusならV6をもう1台追加すれば遠隔での発光制御は可能ですが、手持ちにPCケーブルがあるのでCactusV6のホットシューにケーブルアダプタを設置すればどちらもカメラ本体から発光制御できるようになるわけです。
まあ、X-T1やX-Pro2ならカメラ本体にPCケーブル端子があるのでそんなこと気にしなくても良いのですが。。
私の場合、手持ちの資材を生かして予算を抑えて2台オフストロボを実現するならCactusかなと。

  • で、結局どうするの?
まあ、Nissinについてはまだ発売されていないわけでなんともいえない部分はあるものの、
「私は!いま!ラジオスレーブが使いたいんだっ!」
という欲求に負けてCactusV6ii+RF60を購入することにしました。

大きなポイントになったのはFP発光対応。今後この機能を使いたい撮影があったので、NDフィルタを使えば1/180でも実現できなくはないのですが、色被りしないフィルタを購入することを考えると結局差額の1万円くらいかかってしまいますので価格差のメリットがなくなってしまうのですよね。
現時点でCactusV6とV6ii間の連携がサポートされていないようなのですが、今後対応して心とオサイフに余裕があればV6をもう1台追加して完全無線対応を目指すかなー。


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