2016年7月15日金曜日

白ホリでのライティング覚書

二階堂大和&和泉三月(アイドリッシュセブン
Model:さゆ&息吹

スタジオ撮影で一度はやってみたいライティング。
でも、「ライティングってお金がかかりそう…ストロボ高いし」と思って尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、クリップオンストロボ1台とスタンドのみのシンプルな構成。
ソフトボックスやアンブレラといったディフューザーは使いません。
その設定で撮影した写真が上の作例。
最近いろいろな機材や設定を考えてまとまらなくなったので、基本を忘れない為にも設定の覚書。


ストロボはメーカーや機能により価格にかなり幅がありますが、とにかく安く済ませるならこの一台。

実際に作例の写真もこのストロボ1台で撮影しています。
で、このストロボをカメラから離して使います。
オフカメラストロボというテクニック(?)になるのですが、これをやるためには最近の流行だとラジオスレーブ(電波でストロボ信号を飛ばして離れた場所のストロボを駆動させる)方式が一般的になりつつあります。
ラジオスレーブも安価なものがあるものの、これらは国内での技術基準適合証明(技適)を取得していないものが殆どの為、国内で使うと電波法違反になります。
コセットやハコアムなどのスタジオでは規約に「使用不可」と明記されていますし、今回はこれを使わない方法にします。

というわけでコレ。PCケーブルです。

TT560はPCケーブル接続に対応していますので、カメラのアクセサリシューから信号を受ければ離れた場所でストロボを発行させることができます。カメラの機種によっては本体にPC出力を行う端子がついています。この場合はケーブルのみでOK。
ストロボは基本的にマニュアルで設定を行うので、TTL信号に対応している必要もありません。TTLを使いたい方は対応した商品のご検討を。
有線になるので自由度は多少下がりますが、ケーブルが3mくらいあれば1灯での基本的なライティングは問題なく行えます。

あと、ストロボを設置するスタンド。
屋外で使うと風にあおられたり不安定になりやすいですが、外乱の少ないスタジオ内で大掛かりな機材を使わない限りは下のようなもので十分じゃないかなと。
移動の多い共有型スタジオ内で使う分には固定がレバー式で伸縮がしやすいものが楽ですし。60cmx90cmのソフトボックスやアンブレラも問題なく使用できます。


では実践。
今回のライティングを行うにはいくつか条件があります。
【スタジオの条件】
・白ホリ
・左右いずれか(できれば左側)が白い壁になっている
・使用するストロボに三脚穴付きの台座がある
・使用するストロボがマニュアルで発光量制御できる

もしあれば上記のようなライトスタンドを使用しますが、今回の設定ならスタジオで備品として大抵用意されている三脚でも代用可能です。
ストロボは単体で使えるように小さな台座が付属していることが多いですが、この台座に三脚などで使えるようにネジ穴がついています。このネジ穴でストロボを三脚に設置。
三脚を伸ばして、ストロボの発光部が胸の高さ以上になるようにします。この時、三脚がエレベーター付きの物であればエレベーターは一番上まで伸ばしましょう。
ライトスタンドと三脚の一番大きな違いは、三脚って脚を伸ばせば伸ばすほど設置面積が広くなるんですよね。できれば設置面積は最小に留めたいので、エレベーターは最上に。
スタンドの場合は、顔の高さくらいに発光部がくるようにします。

この状態で、被写体の1mほど手前に側面の壁に向けてストロボを設置します。
ストロボの光を直接被写体に当てず、壁に当てて反射光で被写体を照らすバウンスという手法になります。反射光なので被写体全体に光が当たるのと、白ホリだと壁の反射光が室内全体にも広がるので変に影がつきすぎることもありません。
壁との間隔は50cmくらい。三脚であれば脚が壁に当たってしまうとおもうので、脚が当たるギリギリに設置でも問題ないと思います。
これで、発光量を1/4(TT560であれば目盛り最大から3つ目)にして、カメラの設定はF4、SS1/180、ISO200でひとまず撮影。

明るすぎたらストロボの発光量を1段下げる。または絞り値(F値)を上げる。ISOを下げる。暗かった場合はその逆。
作画意図が破綻しない限り、微調整は絞りを調整するのが楽かなー。

光の当たる角度はストロボの向きや被写体との距離、壁との距離でも変わってきますので、いろいろ試してどんな調整ができるか確認してみても良いかも。

今回の構成の場合、白ホリの定常光も少なからず入るので場所によって設定は変動しますが、まずは上記のように基準の設定を決めて、そこから差し引きして撮影したい画になるように調整します。

もう一種類、壁ではなくて天井に向けてストロボを発光させる「天井バウンス」というテクニックもあります。
こちらはストロボをカメラにセットした状態でもできるので、本当にストロボ一台さえ用意できれば実現可能なライティング。
ケーブルもスタンドも要りません。
ただ、天井バウンスをするにしても、発光部を動かさないほうが一定の設定を保ちやすいので、スタジオ撮影の場合は可能ならスタンドを立てたほうが楽だと思います。
側面バウンスとの違いは、光が満遍なく当たるので顔に影が落ちにくくなります。
その分、変化がつけづらいというのがデメリットになるかも。

カメラに正解はないとよく言われますが、王道はこんな設定かなーと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿