2016年7月7日木曜日

10万円ではじめる!コスプレ撮影にお勧めのカメラ考察

カメラ考察シリーズ第2弾
今回は前回の5万円から予算をぐぐっと上げて10万円をターゲットに選定。

【条件】
・予算は10万円
・カメラボディ(本体)+レンズ1本が含まれること
・レンズは標準ズームかフルサイズ換算で35mm~50mmの焦点距離
・メインの被写体が人物(コスプレやポートレート)
・撮り合いや撮影メインで「おおっ凄い!」って思ってもらえるカットが狙えること

この価格帯だとボディはエントリー機。
中級機はボディだけで10万円超えてしまうんですよね。。
しかし、キットズームレンズではなくワンランク上のレンズを狙える価格帯に。
入門用の大口径ズームか単焦点を組み合わせて本格的な撮影を狙えるようになります。


●イチオシ
・CANON EOS Kiss X7 EF-S18-55 IS STM レンズキット + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM/Art
・CANON EOS Kiss X7 EF-S18-55 IS STM レンズキット + CANON EF35mm F2 IS USM
・CANON EOS 8000D + SIGMA 17-50mmF2.8EX DC OS HSM
・CANON EOS 8000D + TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical Model A16
ボディは5万円コースでも紹介したKissX7ですが、できればもう少し予算を追加して8000Dにアップグレードしたいところ。
こちらはKiss系列と違い上位機種と似た操作系統になります。
どちらかというとKissがオートで撮影することを主眼にしているのに対し、8000Dはマニュアルでの撮影をストレスなくこなせるようになっています。ここは撮影スタイル次第ですが、本格的にライティングなどを行うようになったときに8000Dの方が幸せになれます。

組み合わせる単焦点レンズは、少し狭いスタジオでも問題なく使える35mmくらいのものをチョイス。
CANONにはみんな大好き「撒き餌レンズ」の代名詞たるEF50mm F1.8がありますが、コスプレ撮影用途として考えるとAPS-Cに50mmは長すぎるんですよね。フルサイズ換算75mmになるのでスタジオによってはバストアップでないと撮影できなくなってしまいます。
描写はどちらも問題なし。このレンズで描写不足を感じるようになればフルサイズも含めて本格的にアップデートを検討するステージだと思います。
開放F値はキヤノンのEF35mmの方が1段暗いですが、4段分の手ブレ補正が入っているので助けられるシーンもあるかも。また、SIGMAの30mmはAPS-C専用設計ですが、EF35mmはフルサイズ対応。いずれ来る「その時」を考えての投資と考えることもできます。

一方、ボディを8000Dにして予算内に収める選択肢として、大口径ズームという選択肢もあります。
開放F値2.8の標準域ズーム。狭いスタジオでの大人数合わせの集合も問題なくこなせ、屋外でぐぐっと寄って雰囲気を重視することも可能。
サードパーティレンズの2大巨頭シグマとタムロン、どちらにするかはお好みでよいかと。


・NIKON D5300 + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM/Art
・NIKON D5300 + Nikon Ai AF Nikkor 35mm F2D
・NIKON D5500 + Nikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
・NIKON D5500 + TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical Model A16
・NIKON D5500 + SIGMA 17-50mmF2.8EX DC OS HSM
キヤノンを出すならニコンもね、ということでNIKON機です。
5万円コースの時も書いたとおり、デフォルトの色傾向が明るく元気な印象のキヤノンに対し、クールで落ち着いた印象のニコンというイメージ。ここは目指す作品の好み、または周囲に使っている人の多い機種、という選択肢でいいんじゃないかなと思います。
ボディはD5500か先代のD5300。キヤノンと違って、無理して最新機種にしなくてもいいかも。
液晶がタッチパネルに対応してより小さく・軽くはなったものの、こと撮影に関する部分は大幅な変更なし。高感度特性や内部処理は堅実にアップデートされていると思いますが、最新機にしないと後悔するぞ!という明確なポイントがないのもまた事実です。ここは好みでいいかなと。
組み合わせる単焦点の選択肢は3本。キヤノンでも出てきたシグマの30mmはマウント違いの同スペックです。
NIKKOR 35mm/1.8は単焦点の中では最安。D5500と組み合わせても予算内におさまります。
Nikkor 35mm F2DはキヤノンのEF35mmと同じような立ち位置。フルサイズ対応なのでアップグレードを目指す方は「レンズは資産」となります。

大口径ズームレンズは…そう、キヤノンと同じものです。選択の基準も同じでよろしいかと。


●次点
・FUJIFILM X-T10 35mmレンズキット
・FUJIFILM X-T10 + XF35mm/F1.4
キタ!フジ機キタ!これでかつる!
というわけで、手前味噌ですが富士フイルムのX-T10です。
私が使っているのはT10にXF35mm/F1.4の組み合わせですが、今はXF35/F2を組み合わせたレンズキットがかなりお得なお値段で購入可能です。開放が1段暗いとはいえ、描写についてはF2でも全く問題なし。AFはF2の方が早いので、むしろ使いやすいと感じるかもしれません。
ズームレンズキットも予算内に収まり、F2.8通しでは無いとはいえ写りは全く問題なし。でも、折角ならXF単焦点の圧倒的な描写力をご堪能いただきたいところ。


●検討の余地あり
・PENTAX K-S2 + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM/Art
・PENTAX K-S2 + HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited
・PENTAX K-S2 + HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited
ペンタの新しいベーシックK-S2、K-S1と比べると見た目も機能も一気にスタンダードな感じになりました。
この価格帯のキヤノニコと伍するどころか凌駕しているとさえ言え、同等性能となるシグマの30mmを使えば実は頭一つ抜けるんじゃね?という淡い期待すら抱くところ。
純正の単焦点はクセのある変化球みたいな焦点距離が多く、フィールドカメラの面目躍如たる少し広角気味の単焦点を活かしてロケで風景と合わせた作品作りを目指すには良いパートナーになってくれそう。

ズームレンズについては、キヤノニコと同じくシグマ・タムロンの2.8通し大口径標準ズームもあるのですが、あえてキットズームを選択してボディ+レンズ共に防滴能力を生かした水撮影・雨撮影に挑戦なんてのも楽しいかも。


・SIGMA sd Quattro & Art 30mm F1.4 DC レンズキット
現時点で予算オーバーですが今日発売日ですし、少し価格がこなれると予算内に収まる可能性のある組み合わせ。
唯我独尊foveonセンサーによる撮影画像の超絶解像感はお前はフルサイズ機かという世界(センサーサイズはAPS-C)
書込時間の長さやRAW現像前提でないと心許ないAWBなど改善したと言われても安心できない要素はたくさんありますが、何よりもその「産毛も毛穴も写し出す」という超絶解像を使いこなせるかが大きなカギになりそう。
ただ、この解像感との戦いはフルサイズや中判といった上位機種に移行した際にもぶち当たるといわれていることですし、「正しい撮り方」を学ぶ教材としてもコスパは最高レベルになるのではないでしょうか。
コスプレ撮影でコイツを使う上での問題は、コイツを使いこなせるまで撮影に付き合ってくれるレイヤーさんが居るかどうかかも。


●そのほかの選択肢
・Panasonic LUMIX DMC-G7 + LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH
・OLYMPUSE-M5 + M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
比較的コンパクトなボディにしっかりした造りの単焦点。
悪くない組み合わせなのですが、ことコスプレ撮影用途として考えるとメリットが享受しづらいのが難点。
M4/3(マイクロフォーサーズ)のパナとオリは同一規格なのでレンズの互換性があるのですが、補正などが効かなくなるので可能な限りメーカーを合わせたほうがいいと思います。
パナはライカ銘の25mmよりも見た目はなんてこと無いパンケーキレンズの20mmがお勧め。


・SONY α6000 + SIGMA 30mm F1.4 DC DN
・SONY α6000 + E 35mm F1.8 OSS
SONYさん、APS-Cフォーマットで単焦点もズームも予算内で選択肢豊富なのですが、なんだか勧め辛いというのが正直なところ。というのも、やはりフルサイズミラーレスのα7のイメージが強すぎて、なんとも中途半端な立ち位置になりつつあるのですよね。
積極的にお勧めする理由が無い、というのが最大のデメリットというなんとも煮え切らない評価になってしまいました。



というわけで、独断と偏見によるお勧めのカメラ考察でした。
この価格帯になればもう「機材が悪い」という言い訳も通用しなくなってきますし、あとはひたすら己の技術を磨くのみです。

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